研修に関するQ&A

子どものこころ専門医機構

研修に関するQ&A

Q:研修を開始するにはどうすればよいですか。
A:研修したいと考えている施設の担当者に連絡するとともに、施設群の研修統括責任者(あるいは指導医)に相談に行き、研修開始届を作成してください。研修開始届は「専門医、専攻医専用サイト」内で作成しますので、指導医が同席しなければ作成できません。
Q:研修は誰でも開始できますか。
A:小児科あるいは精神科の専門医研修を修了された方であれば開始できます。研修開始時点で小児科あるいは精神科専門医を取得している必要はありませんが、子どものこころ専門医試験を受験するためには、専門医の取得が必要です。
Q:小児科専門医をもっていますが、精神科専門医研修と子どものこころ専門医研修を同時に行うことはできますか。
A:基本領域専門医との重複研修は認められません。
Q:研修するためには、施設の常勤医とならなければいけませんか。
A:非常勤医としても研修は可能です。ただし、研修では実際に患者さんの診察が必要ですので、まったくの見学(陪席)だけでは研修が成立しません。
Q:カリキュラムに「各専攻医は自ら選択した研修施設群に所属し研修を行う。研修施設群のうち、専攻医 が主に在籍する施設は基幹施設あるいは連携施設Aでなければならないが、在籍の形態は常勤か非常勤かを問わない」とありますが「主に在籍」とは「主に単位取得する施設」という意味でしょうか、それとも「フルタイムに近い形での勤務」という意味でしょうか。研修施設群に属さない病院の常勤医や開業医の場合、研修を受けることはできないのでしょうか。
A:「主に在籍」とは「主に単位を取得する施設」です。常勤か非常勤かは問いません。たとえば、週1回の非常勤を1年間続ければ1回/週×4週/月×12月/年=48回となり、12回の研修で1単位ですから年間4単位、それを9年間続ければ36単位です。時間はかかりますが、こういう形でも研修は可能です。
Q:研修単位は1日3時間以上×12回で1単位と記載されています。これは、午前1単位、午後1単位と分けて計算することができますか。
A:これは、3時間以上で1日の研修とみなし、1日の研修×12回で1単位とするという意味であり、午前午後で2単位ということにはなりません。よって、午前中A病院、午後B病院で研修したとしても、研修として認められるのはAかBどちらか一方です。
Q:途中で研修を中断することはできますか。
A:研修休止届を提出して認められれば中断できます。休止期間は研修期間には含まれず、それまでに修得した研修単位も保持されます。
Q:途中で研修施設群を替わることはできますか。
A:研修統括責任者が異動を認め、異動先として希望する研修施設群の研修統括責任者と話し合い、同意が得られれば可能です。まずは指導医にご相談ください。研修施設群を異動した場合、異動前に取得した研修単位は異動先でも保持されます。
Q:指導医の診療に陪席した場合の症例数の計算はどのようになりますか。
A:陪席による経験症例は、1症例を継続的に陪席しなくても、1回だけの陪席で1症例として登録できます。ただし、同一症例を何度も陪席した場合に、複数症例として登録することはできません。
Q:複数の専攻医が同一症例を経験症例として登録することはできますか。
A:同一症例を複数の専攻医が同時に陪席した場合や、チームで診療している場合、経験症例として登録することはできますが、同時期に診療した症例を複数の専攻医が症例レポートとして提出することはできません。1症例を交代して担当し、診療時期が重なっていなければ、同じ症例を症例レポートとして提出することは可能です。ただし、あまりに内容が似通っていると認められない可能性がありますのでご注意ください。
Q:複数の病名をもつ患者さんを、複数の項目の経験症例として重複登録できますか。
A:複数の病名をもつ患者さんであっても、症例としては1症例です。例えば、自閉スペクトラム症(C-7)で起立性調節障害(B-2)を発症し不登校(D-1)となっている子どもさんは、3項目のうちどれか1項目の症例としてのみ登録できます。
Q:レベルⅡまで履修する5項目はどのように選択すればよいでしょうか。
A:分野別研修項目3分野(B、C、D)のうち、2分野以上にわたる5項目を、所属する研修施設群の特色に合わせて選択してください。研修開始時にいったん選択していただきますが、症例の集まり方に合わせて途中で変更することも可能です。
Q:レベルⅡまで履修する5項目のうち1項目は連携施設Bでの研修を認める、というのはどういうことでしょうか。
A:レベルⅡまで履修する5項目については、専門医試験出願時に1項目1症例の詳細な症例要約の提出が求められます。この症例要約のうち1症例は、連携施設Bで経験した症例でもよいという意味です。連携施設Bでの経験症例は、それ以外の項目にも経験症例として登録することができます。
Q:1つの研修項目の症例は、単一の研修施設で集めないといけませんか。
A:いろいろな研修施設で経験した症例を合算することができます。たとえば、10症例が必要な項目の場合、それを基幹施設で5症例、連携施設A-1で2症例、連携施設A-2で1症例、連携施設B-1で1症例、連携施設B-2で1症例、計10症例というのも可能です。
Q:専門医試験の出願時に「経験症例一覧」の提出が必要とありますが、これは選択した5項目に限らず、分野別研修項目のすべてについて経験症例一覧を提出するということでしょうか。履修完了のためには、症例報告する5項目とは別に、別表に記載の症例数はすべて経験しておかなければならないということでしょうか。
A:別表に記載された症例数の経験は、レベルⅡまでの履修を選択した5項目に限らず必要です。ただし、自ら診療した症例のみならず、指導医の診療への陪席でも登録可能です。また、どうしても症例数が不足する項目は、機構が指定する研修講習の受講(1時間程度の講義=1症例と換算)に振り替えることもできます。
Q:基幹施設のみで研修することは可能ですか。
A:可能です。ただし、できるだけ多くの施設で経験を積むことを推奨しています。
Q:単一の連携施設Aのみで研修することは可能ですか。
A:不可能です。連携施設Aが主たる研修場所である場合、1単位以上は基幹施設あるいは他の連携施設Aでの研修が必要です。
Q:連携施設Bでの研修はどの程度認められますか。
A:全36単位中6単位までは認められます。これは、1つの連携施設Bにつき6単位ではなく、連携施設Bでの研修全体として6単位です。
Q:研修実施記録はどのように残せばよいですか。
A:研修の単位数はシステムに登録します。マイページの「研修実施記録一覧」で、研修施設と研修領域、研修期間、研修の頻度、取得単位を記入してください。また、研修実施証明として、研修手帳の「研修歴記録」に、研修を受けた施設から証明をもらってください。証明がないと研修を実施したとみなされません。
Q:経験症例はどのように記録しますか。
A:システムに登録します。マイページの「総論経験項目・分野別経験症例登録」からマニュアルを参考に登録してください。
Q:研修の評価はどのように受ければよいですか。
A:総論経験項目は、各項目とも、経験した小項目数がレベルⅠでは70%以上で「〇」90%以上で「◎」が表示され、レベルⅡでは50%以上で「〇」70%以上で「◎」が表示される仕組みです。レベルⅠ、Ⅱとも「〇」が表示されたのをめどに指導医に評価を依頼してください。本表示は自己評価となり、指導医は自己評価をもとに質的側面も合わせて評価されます。分野別研修項目については、各項目とも、必要症例数に達した時点で指導医に評価を依頼してください。
Q:Mini-CEX:診療能力評価はどのように受ければよいですか。
A:Mini-CEXは毎年1回、各研修年度の終盤に実施を依頼してください。自分の診療を指導医に観察してもらい評価を受けます。そのうえで、どのような点がよかったか、また改善が必要か、そのうえで次年度以降どのような目標を設定するかを話し合います。
Q:研修の評価における360度評価は、誰に依頼すればよいでしょうか。
A:自分自身を、研修に関わる多職種の方から評価してもらうのが360度評価です。指導医、同僚の専攻医、先輩の専攻医、病棟で一緒に仕事をする看護師、病棟師長、心理士、作業療法士、薬剤師など、最低でも2名以上の方に依頼してください。手帳の該当ページをコピーして記載してもらい、評価後の用紙は直接、指導医に渡すよう依頼します。
Q:経験症例の記載例はありますか。
A:こちら をご参照ください。